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はじめての家づくり 22|家づくりのための土地の読み方②

コラム:はじめての家づくり 22

家づくりのための土地の読み方②


こんにちは。

シンプルモダン住宅を設計する相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

千葉県でも家づくり設計活動中です。

今回もよろしくお願いします。


不動産情報の記載項目の基本的な読み方の話でした。

セットバックと私道負担、道路の幅員

「宅地」「田」「畑」などの地目、

「住居地域」や「商業地域」などの用途地域などをみてきました。

コラムを続けましょう。



⑤建ぺい率、容積率

不動産情報の中でも大切な情報です。

建ぺい率は、敷地面積に対して建物が建てられる面積のことです。

基本地面に接している形(フットプリント)の大きさのことです。

ですから100㎡の土地で建ぺい率が60%の時は

100×0.6=60㎡までの大きさのフットプリントの建物が建設可能です。

容積率は、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のことです。

延べ床面積とは、各階の床面積の合計のことです。


つまり

100㎡の敷地で

ケースA:建ぺい率が50%で容積率が80%の場合

は次のようになります。


また同じく100㎡の敷地でも

ケースB:建ぺい率が50%で容積率が100%の場合

は次のようになります。



実際の生活をイメージしてみると、ケースAとケースBには

延べ面積以上に大きな違いが生まれます。



⑥設備

毎日の生活には、電気、上下水道、ガスなどのインフラが必要です。

大抵はその土地で利用できる設備が記載されていますが、整備されていない時は「○○引込みなし」などと表記されています。

その場合は、土地の購入後に別途対応が必要あり、費用が発生します。

土地の販売業者にしっかりと確認する必要があります。

敷地のある行政に問い合わせしたり、

敷地のあるエリアに電気やガスを供給している電力会社やガス会社に問合せるとわかります。


ガスは都市ガスとプロパンガスの二種類があります。

都市ガスはメタンを中心とした天然ガス(LNG)を使用していますが、

プロパンガスはプロパンを中心とした液化石油ガス(LPG)を使用しています。

そこでガス機器にはそれぞれに対応するガス記号が表記されています。

その敷地で使用できるガスの種類で、土地を選ぶことはないでしょうが、

それぞれメリット・デメリットがあります。

都市ガスは比較的安価で、

ガスタンクのスペース確保や交換の手間はありませんが、

災害時には使用できない可能性があります。

また、プロパンガスは都市ガスよりやや割高で、保証金や設置スペースが必要ですが

災害には強いです。


また、かつてよりオール電化が進んでいるためか、

辺境地で新たに家を建てインフラを引く場合に、

電気の新設は都市ガスの新設に比べると簡易かつ、

プロパンガスのように管理がいらないため

オール電化にするケースもあるようです。



⑦土地の所有形態

土地には、土地そのものを所有できる「所有権」と、借りる権利を得られる「借地権」とがあります。

所有権とはその土地を自分のものとして自由に使用することができる権利のことです。

これに対し、借地権は建物を建てる(所有する)目的で、土地の所有者(地主)から土地を借り、地代などを支払うものです。

ですので、借地権の一番のメリットは価格が安いことで、デメリットは土地そのものの所有はできないことです。

私たちの事務所のある台東区谷中エリアや上野桜木エリアは

そもそも土地代が高い上に、寺院が所有しているケースが多いためか、

借地権の土地の情報が結構あります。

判断が難しいところですが、

どうしても住みたい場所であっても思うような土地が出ない場合は、

そうした情報にも目を通してみると、何か新しい発見があるかもしれません。



⑧現況

現況(げんきょう)とは、「更地」や「古屋あり」などと記された項目です。

古屋ありだと、購入するとそのまま引き渡されますので、新築する場合は古屋の解体費用が必要なります。

現在の敷地に古屋が立っていても、さらい「更地引き渡し」と書いてあれば、新たに費用が発生することなく、更地で引き渡されます。


⑨交通の利便

最寄り駅または最寄りバス停からここまでの所要時間が記されています。

徒歩は道路距離80mにつき1分を要するものと計算するそうです。

これは健康な女性がハイヒールで普通に歩くスピードと聞いたことがありますが、

どうも彼女は僕より早足のようです。



⑩斜線制限

建築基準法で定められた法的制限のことです。

街全体の環境を守るため、採光や風通しの観点から建物の高さや大きさを制限しています。

代表的なものとして道路車線制限があります。

これは道路の反対側と見なされる箇所から、一定の勾配の斜線内に建物を納める必要があります。

北側斜線制限は北側隣地の日照の悪化を防ぐことを目的とした法規です。

第一種及び第二種低層住居専用地域と第一種及び第二種中高層住居専用地域内で規制されます。


かなり専門性が高くなってきます。

家づくりのパートナーへ相談することをおすすめします。


今回はここまで。


(この項了)


2021/06/29 佐藤 勤 記


この項続きます

次回、7月2日(金)に更新予定です。

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