はじめての家づくり 04 | 住まいのスタイル・形から家づくりを考える①
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はじめての家づくり 04 | 住まいのスタイル・形から家づくりを考える①

これまで2回に亘って家づくりの基本を考えてきました。

自分にあった家づくりの入口を見つけ、

家族のための住まいを、家族みんなで考え、

夢を持って納得のいく住まいづくりを

していただきたい……との話でした。


今回から数回に亘って

住まいのスタイル・形から「家づくり」を

考えたいと思います。

これから選択されるものがどういう物なのか

どんな背景を持つのかを

知っていただきたいからです。

そしてみなさんそれぞれにあった家づくりを

選択していただきたいのです。

まずは住まいの形からはじめて

お金の視点からの見方を

続いて工法・構造から考えてみましょう。

それではスタート!



住まいの形から考える


ご存知のように、住戸の形式には

「戸建て」と集合住宅などの「マンション」

があります。

二つを比べると、見た目以上に住むスタイルとして大きな違いがあります。


「戸建て住宅」は一軒一軒が

それぞれの敷地に立っています。

その世帯が生活するためのものが

1軒の中に一通り揃っています。

「マンション」は多くの人が

集まって住んでいます。

自分だけが使う専有スペースと

共同して使う共用スペースとで構成されます。

メリット、デメリットがそれぞれあります。


また、住戸の形式ではなく

注文方法の違いでタイプがあります。

オーダーでつくる「注文住宅」と

オーダーすることのない「分譲住宅」の

二つの住まいのタイプです。

0から設計するのと、完成品との違いですね。

分譲住宅は内覧会で実物が見られます。

住むイメージがわかりやすいですよね。

でも家を作るワクワク感はありませんし、

要望が実現されたものではありません。

満足感に差が出ます。


そして住まい取得の形としては

「新築」の住まいだけでなく

「中古」リフォームという形もあります。


最近の政府の住宅市場動向調査を見ると

毎年の住宅総数の68.3%が注文住宅で

23.3%が分譲戸建てです。

9割が「戸建て住宅」ということになります。

ちなみに、分譲マンションは9.3%と

販売時の派手な広告イメージからは

割合が少なく感じますね。

みなさんの多くが選択している

戸建て住宅をもう少し詳しくみてみましょう。



理想が実現する戸建て住宅


「マンション」と比べた時の、

「戸建て住宅」のメリットは何でしょう。

まずは設計自由度の高さです。

予算や敷地条件による制約がありますが、

理想に向かうのが魅力的です。


家族の人数、世帯数に合わせて始まる設計は

建主さんのそれぞれのライフスタイルを

反映することができます。

部屋のサイズや天井高さだって自由です。

また、一人当たりのスペースも大きく採れ、

四方の壁に窓をとり通風や採光ができます。


芝庭を作り、家庭菜園を楽しみ

BBQをし、ペットが飼えるのは

戸建てならでわです。

上下階にほかの住戸がありませんから、

騒音や漏水トラブルが発生しにくい

というのも魅力の一つでしょう。


では戸建て住宅のデメリットは何でしょう。

広々とした戸建て住宅は、同面積であれば

マンションより割高となることがあります。

また、住まいのメンテナンス・修繕などは

すべて自己責任で行わなくてはいけません。


他にも階段が平面的に面積を多く占め

しかもプランを規制することになります。

さらに上下階の移動は結構煩わしいものです。

平屋に住む多くの人がその事実を指摘します。

戸締りやセキュリティーも手間がかかり

同じくマンションより煩わしいことの一つとされています。




分譲マンションが終の住処になる時代


分譲マンションの一番のメリットは何でしょうか?

駅近など利便性が高い場所に建つことが多いことでしょう。

しかしこれまで分譲マンション購入者の6割が住み替え前提でした。

いずれは「終の住処」として戸建て住宅を

建てたいという人が多かったのです。

平成5年を境にそれが逆転し、

今では分譲マンションを終の住処とする人が

その60%を超えるとのことです。

上下移動のないワンフロアーでの生活や、

買物や医療施設の充実など利便性の高さなど

確かに高齢者に向いているといえます。


またマンションでは同じ面積なんら

戸建てより割安なことが多いのです。

集まってすむメリットは他にもあります。

セキュリティーやアメニティーは充実し、

販売時にその贅を競ったりしています。

タワーマンションでもなくとも

パーティルームやコンセルジュサービスなど

充実しています。

また管理費や積立金などが発生しますが、

管理組合によって計画的に運営され

メンテナンスが行われ安心です。


ではデメリットとしては何か?

まずは上下階の生活音でしょうか。

家族の発するのでない生活音は耳につきます。

また、戸建てに比べ

収納スペースの確保が難しいことを忘れてはいけません。

さらに経年で住人が変わりやすく、

環境が変わることもあります。

また、共益費や駐車場代などがかかります。

細かいようでも毎月のことなので侮れません。


戸建ては戸建て、マンションはマンションの

それぞれメリット・デメリットがありますね。

悩ましいところです。



家づくりの選択肢は増えてきた


家づくりにあたって

戸建てかマンションか?

あなたはどちらでしょうか。


先に挙げたような新築以外にも家づくりの選択肢は存在します。

増えているのが中古の戸建て住宅やマンションを購入してリフォームするケース。

戸建て住宅の16.7%が中古住宅で、

マンションでも6%ほどが中古住戸です。

中古の方が経年により価格がお手頃です。

また同じ費用であっても

新築より利便性の高い住まいを取得することが可能です。

お得になった分、

リフォームに資金を振り分けることが可能なのが魅力です。


特に老夫婦が終の住処として

都心部の手頃な間取りのマンションを購入し

リフォームするケースがあります。

他にも実家の建て替えや増改築も

増えてきていると聞きます。

ここ十年の実感としては、

二世帯住宅の相談が増えています。


様々挙げてきましたが、

私たちとしては、簡単に妥協することなく

慎重に選択肢を検討して欲しいのです。

自分のためのオンリーワンな家づくりをしていただきたい。

自分らしさを大切にされる方は

ぜひフルオーダーの住まいづくりを選択してもらいた。

どう考えても、その満足度は大きく

日々を生きていくことができますから。


ここ五、六十年で眺めたとき、

木造の戸建て住宅が日本人の住まいでした。

そこには価格の適正や合理性があり、

技術が蓄積されてきました。

これからも日本人の住まいは

戸建ての木造住宅が一つの理想だと思います。


あなたならなにを選びますか?


2021/04/16 佐藤 勤 記




次回、4月20日(火)に更新予定です。


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