はじめての家づくり 26|土地探しのための不動産情報活用法①
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はじめての家づくり 26|土地探しのための不動産情報活用法①

コラム:はじめての家づくり 26|

土地探しのための不動産情報活用法①


こんにちは。

シンプルモダン住宅を一緒に考え設計する相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

千葉県柏市で家づくり設計活動中です。

今回もよろしくお願いします。


そろそろ土地探しも総括していきましょう。




多くの情報は共有されているらしい

不動産情報では、資金力や情報力がものをいうという話を聞きます。

確かに大手不動産のタワーマンションの販売などでは、条件の良い部屋はお得意様の上客にまずはご案内すると、役員の方からお聞きしたことがあります。

投資目的の方もいれば、投資目的を兼ねてより理想の住環境を手に入れるために住み替えを重ねている方などが一定数いるということ。

金額ではなく、いかに魅力的がということが大切で、その新しい魅力的というものをこれからの建築家に期待しているという話でした。

それは、かなり上質でグレード感があるもので、ある意味納得する話でした。

そういう情報は、調整されてから一般に流されます。

ま、あまり関係のない話ですが……。


それでも、不動産情報というのは、

業界団体の大きなネットワークシステムがあって、

販売状態になった瞬間に情報となって

そのネットワークに乗るというのが一般的なようです。

なので、インターネット上で検索をすると

まったく同じ情報が複数の業者さんの扱いとして出てきます。

大元の売主さんは一つですが、

条件の良い案件は労少なく契約できそうですから

多くの不動産業者が関わりたいのでしょう。

ちなみに不動産価格には定価や希望小売価格なんてものはありません。

利益やら手数料やらが乗った価格が不動産価格です。

ですので、条件やタイミングが合えば値引き交渉ができます。

できますが、仲介に入っている不動産業者さんでは難しく、

販売をしている大元の窓口でなければ交渉は叶わないでしょう。

物は試しで、価格交渉は必ずしてみましょう。

無理なれば無理と返答が来るだけです。



ところで不動産情報は、こうした皆が同時に入手できる情報ばかりではありません。

駅前で探してみるとわかりますが、

新興の不動産業者ばかりではなく、

地元で古くから手広くやっている業者さんも結構います。

古くからの付き合いを大切にすることで上得意だけで成り立っている方もいるようです。

囲い込みや両手取引とは違いますが、世の中には余裕があって、「機を見ている」という状態があるようです。

僕にはちょっとわかりませんが……


一般的には情報源は、新聞折込やポスティングのチラシや

駅やスーパーなどのフリーペーパーのラックに刺さっている情報誌、

不動産屋の店頭ウィンドウ、

そして先ほどのネットでしょうか?

順番に見ていきましょう。



チラシは地元の情報源

長い休みの前や週末、あるいは帰省の前後、

不動産チラシは配られます。

帰省前後というのは、住宅資金を両親が援助するケースがあるからです。

相続のこともあって、帰省のタイミングでそうした話が進むことが多いようです。


特定の物件を紹介するものもありますが、

地域や沿線を集めたオムニバス型のチラシもあります。

不動産情報ではよくあることですが、客寄せ用の情報が載っていることもあると言われています。

問合せると「すでに売れた」とか「他の人が商談中」と言われ、

別の情報を勧められた経験はありませんか?

とはいえ、そういう極端な物件は目立ちますので、

丁寧に物件情報を追いかけていくと、

こちらが飛びついた理由が明確なだけに

相場観が見えてくる大切な情報源となります。

また、大手はチラシを大量配布します。

一方で、地元の中小業者も地域限定のポスティングのチラシを利用します。

大手までは回らない、地元ならではの新鮮な情報がポスティングのチラシでは

見つかるかもしれません。

広告費がこれ以上掛けられない物件などは、地域限定のポスティングで勝負をかけることもようです。

なので、ポスティングチラシの物件は実質的な勝負価格かもしれません。

一方で売り主の価格設定が高く売れない場合もあるようです。

広告を打ったり、価格を下げたりして、これ以上、時間と手間をかけないように販売がされます。

そうした時間が経過しているものは、現金化を急いでいるかもしれません。

そうした物件のポステイングもあるようです。

またそのチラシの物件に縁がなくとも、チラシの業者に声をかけておくと

同じような地元ならではの情報が入るかもしれません。

しつこく営業されるかもしれませんが……。

これも一期一会


ちなみある不動産業界の方に聞いたのですが、

営業マンの方も得手不得手があるそうです。

オフィスとか住宅とか扱うジャンルが違ったり、

扱う価格帯や扱うスピードが違ったり、

あるいは得意のエリアが違うそうです。

いずれにしても、大きなお金が動く不思議なご商売です。

鎌倉や上野桜木(寛永寺の裏あたり)のような人気エリアでは、

順番待ちの人が多く、土地が販売されても、

情報が出る前にすでに取引が終了していることもあるようです。



一応情報誌もチェック

かなりの頻度で更新され、駅やスーパー、コンビニなどのフリーペーパーとして置かれている情報誌。

ちょっとしたファッション雑誌のようなタウン情報もあり、楽しく読めます。

紙媒体なので、読みやすく、探しているものがすぐにズバリみつかどうかはわかりませんが、

自分では決して気の向かない世の中の有益な情報や人気の傾向など広く情報収集ができます。

印刷・配布のタイムラグがあり、最新情報とはいきませんが、

相場観を含め参考になるので、土地探しの期間は少し気にかけてみるのが得策です。

特に土地探しに行き詰まったときに、

沿線や思い切って希望を変えるときに参考になります。

一方で希望を変更しても満たされないことがわかれば、それもよしです。

また、流行りのインテリア特集などは、

その後の家づくりのイメージの参考になるかもしれません。


(この項続く)


2021/07/13 佐藤 勤 記


次回、7月16日(金)に更新予定です。



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