こんにちは。
シンプルモダン住宅を一緒に考え設計する相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。
柏市でも家づくり設計活動中です。
今回もよろしくお願いします。
これまでいろいろとお話しをしてきました。
家づくりにおいて「どんな家を建てるのか」と
同じぐらい大切な「どんな場所に住むか」です。
一度まとめてみましょう。
1 土地探し心得
① 土地探しは一期一会と心得る
ひとの出会いと同じで、焦っても、意中の土地は見つかりません。
希望を持ちながら気長に待ち、その都度その都度、決断をしていきましょう。
経験からいくと、みなさんそれぞれ土地を見つけ、希望の家を建てられました。
必ず、あなたの土地は見つかります。
②お買い得はないと心得る
みなが良いと思う土地は価値があるとされ、相応の値段が付きます。
市場性のある、はっきりとしたわかりやすい良さがある土地の話です。
ですので、一般的には価値があるのにお手頃なお買い得の土地はありません。
相場より高いことはあっても、相場より安いのにはきちんと理由があります。
お買い得に見えるとすると、それなりの市場的にネガティブな理由があります。
実は地盤が悪いとか、事故物件だとか。
敷地の形が悪いとか、接道が悪いとか。
そこをきちんと把握してからの判断が必要です。
しかし、他の人にとってはそうでなくとも、あなたの家づくりにとってお得な土地がある可能性はあります。
日当たりや変形をものともせず家づくりに取り組むとか。
みんなが気づいていない、あるいは手をつけていない価値を
設計や住まい方で発見・発明できるのであれば、
お買い得に変わっていくこともあります。
これまでにない当たり前の家づくりができれば、それも可能かもしれません。
もっとも設計の専門的な判断が必要ですが。
③良い環境は人それぞれと心得る
土地の条件を大きく眺める「環境」という言葉があります。
実際に訪れそこの社会環境、自然環境が自分たち家族にあっているか考えてください。
大切にされるものは、家族それぞれだと思います。
それぞれどんな思いを追っているのか、家族会議を開いてください。
④ここに住む覚悟を持つ
新型コロナで働き方が変わってきたと言われています。
リモートでの作業や、webでのミーティングなど、ネット環境が前提になっています。
在宅の時間が増え、居室のあり方や居室以外の外部との関係など再考されています。
通勤時間の考え方も再考されているようでで、
改めて遠距離通勤がフューチャーされています。
そういえば80年代中頃のバブル期に新幹線通勤というのが流行りました。
遠隔地に都内より安く土地を手に入れて、マイホームを手にいれるためでした。
90年代には新幹線ラッシュがあったように記憶していますが、その後どうなったのでしょうか。
個人的には職住は分けていたいと思います。
引っ越しが好きだったので、その経験則から、
ドア・ツー・ドアで45分以上は通勤をかけないようにしています。
コロナ禍の今、土地探し・家づくりにおいても、
都心回帰から改めて郊外での家づくりへ変化するのではという分析がありました。
しかし、実際はあまり変わることがないようです。
却ってコミュニケーションの距離感や密度が変化し、
新たなコミュニティが場所、場所で生まれてきているようです。
家づくりはその場所でコミュニティを形成する「イメージ=覚悟」が必要です。
都市部の人口集中や出生率の減少などで、人々のコミュニケーションが希薄になってきていました。
しかし、今回の新型コロナ禍でみなさんがそれぞれ地域・地区を意識するようのなりました。
また、昨今、自然災害では地域コミュニティの大切さが浮き彫りになっています。
そこに住むということは、大きな意味と課題があります。
そこに住む覚悟をぜひ持ってください。
2 チェックすべき4大ポイント
①家づくりの総予算はイメージできているか?
▫︎ 手持ち資金はいくら?
▫︎ 銀行でいくら借りられるか?
▫︎ 無理のない資金計画か??
▫︎ 親の援助は得られないか?
▫︎ 土地にいくら? 上物にいくらのバランスは取れているか??
▫︎ 税金や仲介手数料など諸費用は把握できているか?
②優先順位は整理できているか??
▫︎ 予算配分?
▫︎ 通勤・通学の便
▫︎ 駅からの距離など交通の便
▫︎ 日当たり、近隣の様子
▫︎ 医療施設や学校の有無とその距離感
▫︎ 文化施設・スポーツ施設・公園などの有無
▫︎ 金融機関・郵便局などの有無
▫︎ スーパーやコンビニなどの有無
など順位を整理できていますか?
③そこに住むイメージはできているか?
▫︎ 1日24時間、1週間、1ヶ月、半年、1年をまずイメージ
そして
▫︎ 5年、10年、20年、25年、35年でイメージを。
さらに
▫︎ そこに建物のボリュームが建つことを想像できるか
▫︎ 街のイメージ
▫︎ 庭、塀、生垣、エクステリアのイメージ
▫︎ デザイン、色、素材、テイスト
▫︎ グレード感
▫︎ 防犯・セキュリティのイメージ
また、間取りのイメージなしに土地購入をすることは危険です。
ご自身たちの希望が実現可能な土地がどうか、ぜひ想像してください。
④専門家に相談しているか?
▫︎ 建ぺい率、容積率、用途地域、斜線などの規制
▫︎ 良い地盤か? 高低差はないか?
▫︎ 電気・ガス・上下水道などインフラは?
設計事務所や工務店、ハウスメーカーでは、
土地の候補があれば無料で相談にのってくれるところがあります。
敷居は高くありません。
ぜひ弊社も含めて、
早い段階で専門家に相談してみてください。
(この項了)
次回から、いよいよプランニングについて考えていきましょう。
2021/07/20 佐藤 勤 記
次回、7月23日(金)に更新予定です。
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