はじめての家づくり 29|家づくりを賭けにしない8大ポイント ①


こんにちは。

シンプルモダン住宅を一緒に考え設計する相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

千葉県柏市でも家づくり設計活動中です。

柏市近辺からのご連絡をお待ちしています。


一週間のご無沙汰です。

次のステップに進みましょう。

これまで、このコラムでは家づくりを始めようという方のために順を追ってお話しをしてきました。


まずは、「家族のための家づくり」に向けた情報収集について。

家のスタイルで家づくりの可能性を検証し、

木造やRC造といった工法から見たり、

所有形態から考えたり、

依頼先の違いを見てきました。

そうした時に大切にすべき点として

・信頼関係

・充分な時間

・自分たちにあった心地よさを探す

・固定観念にとらわれない……などとしました。

さらに家づくりの費用とローンの現実をお伝えし、

土地の探し方、見方を見てきました。


こうして初めてでも、どのようなことに気をつけて家づくりを始めれば良いかを考えてきました。


家づくりの可能性をみ、土地を探しながらどこに依頼し、

どれくらいの値段のものを建てるのかについてみてきたわけです。



どんな住まいづくりをするのか

ところで、

これまでの話では建築設計的側面での「では、どんな住まいづくりをするのか?」という話が進んでいません。

間取りや素材などの話ができていません。

これから順を追ってお話ししていきたいと思います。

その前に、私たちのような建築設計事務所に設計・監理を依頼し、工務店で施工をする場合の簡単な流れを追ってみましょう。


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おそらく、建築設計事務所に問合せをした段階では、

土地探し中か土地購入後でしょう。

手元に何がしかの土地の情報があるはずです。

設計事務所では、土地の資料をもって、

まずは「簡単なプラン=提案」をしてくれます。

(私たちの事務所では無料提供しています。まずは、私たちにお声がけいただいたこと

に対する感謝の気持ちと、せっかくお声が

けいただいたのでお役に立てればと思うか

らです。)


設計の考え方や傾向、素材取り入れ方や熱環境の考え方など、

設計者によってその提案は様々だと思います。

希望に近く、コミュニケーションがとれ、

相性が良ければ設計契約に進みましょう。



最初の提案をたたき台にして、話は進みます。

案の細部の不具合を気にするより、方向性を重視してください。

それから、大枠の希望から細々とした希望まで、様々やり取りを重ねます。

ご希望のスケジュールに合わせ、

「プラン=間取り」をまとめていきます。

細部はありませんが、間取りがわかる程度にはリアルな図面でです。

ここでは、検討のスピードを保つために細部まで書き込まない縮尺1/100(図面上1mが10mmで表現されている)の図面が使われます。

間取りがわかり、空間イメージが持てるものです。

これに建主さんが設計をできるだけ正しく理解し、

イメージをしやすくするためにスケッチやパースが添えられています。

これが「基本設計」という段階です。

間取りが絞れてくると次の段階に移っていきます。

より具体的な細かい寸法や、それぞれの素材や仕上げ方法などを詰めていきます。

細かいことや決められないことは保留のままでも良いでしょう。


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続いて、工務店での見積もりに向けて、「実施設計」という段階に入ります。

みなさん方が家づくりについてお話しになる時、この実施設計レベルの仕様をとても気にされます。

外壁の色や床の種類、エアコンの機能などです。

予算の範囲内ということもありますが、仕上げや素材感が決定的に建物の感じを決めます。

イメージされているその建物の感じを大切にしたいと思います。

こうした希望は、いろいろとバラバラでしょうがとても大切です。

これらをまとめて一つの家にしていくのが建築設計事務所=設計者の仕事です。

ですから、順を追って

間取りや敷地の有効活用も大事ですが、

一つ一つの具体的な希望を宣言することも大切で、

実はそうした具体的なことは間取りが決定される前に準備をスタートすべきです。

希望を細々持つのは、家全体のイメージができるより前に考える方が良いと思います。

順番が逆になると、

いざ実施設計に入って詳細を決めていく時、

具体的なインテリアイメージがわかなかったり、

自分らしさを見失ったり、

「当たり前」がわからないということが起きます。

「当たり前」というのは、

あなたにとっての当たり前と私たちの当たり前がそれぞれあるので、

その擦り合わせが必要ということでもあります。

お話ししてきたように、家づくりの設計打合せは、具体的なインテリアイメージからではなく、

全体構成や配置から決め、徐々に細部となってきます。

プランから決め、より細かいことを詰めていきます。

こうした流れは、作り方(施工方法)によるところがあります。

設計が迷走しないように、段階を踏みながら、一つ一つ積み重ねて決定し、後戻りしないためでもあります。

なので、家づくりが第二段階に入った、

今こそ、今後必要となってくる予習ポイントをあげたいと思います。




予習してできること

これからお話しする予習ポイントは

基本設計、実施設計に並行して、

常に更新し続けてください。


家づくりを終えた方たちのコメントをSNSなどで見かけますが、

家づくりをしていく中で、どんどん情報が増えていってか、

知らなかったことも多く

改めて知ることが増え、

希望がより具体的になってきたりして。

しかし、すでに決めてしまった後で変更ができなかった。

もっと早く知っていたら、色々としたいことがあったのに……

というのを見かけます。

確かにそうした部分はあるかもしれません。

ですから充分は予習をしてください。



① まずは情報収集

やっぱり情報収集は基本です。

TV、新聞、雑誌、書籍など、家づくりに関係があるものは、

まずは手にとって眺めてみてください。

これまでの努力が現れ、

どこの情報をどう見るべきかの勘が働くはずです。

特に色や素材感は随所で検討事項となります。

色にこだわりだすと検討箇所が増えていきます。

サッシの色からその周囲の窓枠、壁、天井、巾木など各部屋で検討できますし、階段手すりやキッチンなど取り合わせが気になりだします。

あるいはこんなトイレがいいとか

こんなニッチ(壁面がへこんで飾り棚などになっている部分)が欲しいとか、夢は膨らみます。

それには、たった1枚の写真があれば設計に生かせます。

スクラップしたり、携帯で撮っておいたりをお勧めします。


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また、インスタグラムなどSNSでは多くの情報が手に入ります。

親切な人や熱心な人が多く、ダークサイドのあるネット世界のはずなのにと驚きます。

こちらも一生に一度の家づくり。

時間を惜しまず、皆さんの意見に耳を傾けてください……と言いたいところですが、

参考になる意見ばかりではありません。

僕らから見ると、明らかな事実誤認や忖度もあり、

間違った入口や前後関係が破綻しているのを目撃したこともあります。

何を信じるかはここでは自由だと思います。

そして特定の何かを攻撃する意図はありません、悪しからず。


一通り眺めると、なんとなく今のご時世が一望できた気がしますが、

SNSに参加している人たちだけの、あるいは発信力が強い人または発信をする必要がある人たちの世界観でしかないかもしれません。

玉石混合でないと良いのですが。

惑わされたり、迷走させられたりがないように、冷静な判断が必要です。

誰もが目を覆うような醜悪な趣味でもない限り、

「好き」、「夢」を集めるのが情報収集です。

矛盾した希望や好みは具体的な設計の中で必ず調整ができます。

忖度なく、羅列してみませんか?

それには誰のバイアスもかかっていない、予習が必要です。

最後は一緒に考え、まとめさせていただきますから。

安心して、希望の情報集めをしてください。


分量がつきましたので、ここからは次回に。


(この項続く)



2021/07/30 佐藤 勤 記


次回、8月3日(火)に更新予定です。