こんにちは。
変形敷地での設計や平屋建てが得意な相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。
谷根千で家づくり設計活動中です。
マンションリフォームの設計依頼もお待ちしています。
前2回で家づくりを「賭け」にしないという話をしてきました。
情報収集をして自分の好みを把握するところからスタートです。
外観やインテリアの写真やスケッチなどをたくさん検索し
スクラップをしてみてください。
それからこれからの生活を具体的にイメージするために、
キッチン、トイレ、風呂といった住宅設備を物色し、
それに合わせたコンセントやスイッチをイメージし、
さらにインターネット環境やセキュリティなども一通り調べてみてください。
いずれにしても、これから一つ一つ決めていくので、
そうしたことの様子や世界観を把握しておくことが目的です。
決めるのは、もう少し先で構いません。
それでは続きをスタート!
④ダウンライトか否か?
落ち着くインテリア空間、
穏やかな気持ちになるインテリア空間、
前向きで元気になれるインテリア区間など
様々な空間があります。
インテリアの感じは何によって決まるでしょうか?
床・壁・天井の仕上げや
天井の高さや部屋の広さ、
開口の位置とサイズになどによって
大きく印象を変えます。
これに照明のアレンジが加わると、
インテリアの可能性はさらに広がります。
あるいは使い勝手や個人的な嗜好でしょうか。
それとも、体験したことのある空間
あるいは体験したことのない空間でしょうか?
かつて、日本の住まいの照明は
囲炉裏を中心としてきたがごとく、
部屋の中央に照明器具を吊るすものでした。
今では、
ダウンライトや間接照明など
機器の存在を意識しないものも増えてきました。
そして日本海軍の潜水艦の技術であった蛍光灯は
今やLEDに変わろうとしています。
○
そんな中、どんな照明にしたいですか?
モダンでシンプルな北欧風テーブルとチェアのダイニングでは
ペンダント照明でしょうか?
あるいは都市型狭小住宅で間接照明にダウンライトとし
照明器具が見えないすっきりした空間づくりでしょうか?
何をするためのスペースか?
必要な明るさや光の色は?
と、シーンを想定したいものです。
調理をするスペースと読書をするスペースは同じ照明ではありません。
集中するスペースからリラックスするスペースに移った時、
照明の色を暖かい電球色に変えるとか。
スポットライトが
家人の描いた家族の絵を照らしているなど。
「どんなリビングですか?」などと問われた時の、
答えの一つとして、照明もイメージしてみてください。
⑤テレワーク想定は?
マスク常用の通年化とテレワークはアフターコロナでも残りそうな気がしています。
職種によるでしょうが、
ワーキングのイメージが共有できる人たちは、
案外通勤しなくても良いということがわかってきました。
一方で、新人などトレーニングが必要な人にとっては、
難しい側面があることもわかっています。
それでも、働き方の多様化はこれまでよりは定着するでしょうから、
テレワークというか、住宅のオフィス化はさらに進むように思えます。
つまりはオフィス環境の想定がこれからの住空間に必要となります。
現在の住環境では、
その多くでテレワーク想定されていません。
私たちがリフォームの相談に乗ったケース
でも、
既存環境からスペースを捻出するのに苦労しますし、
スペースの環境を整えるのもそれなりの手間がかかりました。
リフォームは限りがあるので、
限界がすぐにきますが、
その分、アイディアが生かせることが多いです。
○
テレワーク化で気づくのは、
ビデオ会議が前提になるということです。
ビデオ会議では、映像があるので背景が必要となります。
背景を合成する機能もありますが、やはり不自然さは拭えません。
また、商談を行う場合などは、
見た目の印象も大切です。
背景を意識すると、それなりのインテリアイメージや距離感が必要となってきます。
また、自然光と顔の位置関係や照明の調整なども、検討が必要です。
さらにはテレワークスペースと共有スペースとの距離感も大切です。
共有スペースから遠いスペースなのか、近いスペースなのかで
空間の区切り方や防音の考え方も変わります。
「後でなんとかなるだろう」で家づくりをした先のテレワークスペース確保ではなく、
家づくりを始めた時に何が必要か考えてみてください。
(この項続く)
2021/08/18 佐藤 勤 記
次回、8月20日(金)に更新予定です。
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