はじめての家づくり 34|図面の読み方 ①図面のわからないが、わかるに
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はじめての家づくり 34|図面の読み方 ①図面のわからないが、わかるに

こんにちは。

二世帯住宅が得意な相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

台東区谷中でも家づくり設計活動中です。

リフォーム・リノベーションの設計依頼もお待ちしています。


ここのところ家づくりを「賭け」にしないという話をしてきました。

今回からはちょっと別のお話。





図面って何?


みなさんは家づくりでもしない限り、

日常生活で図面に触れることはあまりないと思います。

図面は、何かを伝えるためや,

何かを作るために描かれます。

平面的に描かれたり、立体的に描かれたり様々ですし、

寸法が入っていたり、材料や加工法が描かれていたりします。

紙のサイズも様々で、大きな建物の図面は、紙のサイズも大きいです。


その図面も昔は手書きが当たり前でしたが、

今やパソコンでCAD(キャド)ソフトを使って描くのが普通になっています。

CADを使うとデメリットもありますが、

PDFにするとメールなので簡単にやり取りができるなど、

その便利さに、もう後戻りはできません。


それでも今でも建築の現場では、

縮小しない原寸の図面を手書きで描いたり、

プレゼンテーションのためにドローイング的に手で図面を書いたりします。

実際私たちも、手で図面を書くことに意義を感じることがあります。

そもそも設計の初段階では、

スケール感を持ちながらフリーハンドでスケッチをします。

そうした時、縮尺1/100(百分の一)や縮尺1/50(五十分の一)で描くことが多いです。

実際に施工されることをイメージしながらのスケッチなので、

それなりに正確で、検討には十分の精度があります。



図面には伝えたい内容によって様々な種類があります。

描かれているものの違いとでもいうのでしょうか。

あるいはプロジェクトの進行の具合に合わせて必要な情報を都度都度、取りまとめ、確認する必要があります。

そのために図面を書いたりします。

目的別、タイミング別、情報の種類別という感じ。


家づくりですと普通でも、

基本設計図、実施設計図、詳細図、見積図、契約図、施工図、承認図など山ほど種類があります。




設計には、大枠から細部へという大まかな流れがあります。

順を追って図面を見ていきましょう。


私たちの仕事の進め方でいえば、まずは初回無料提案の図面が最初の図面となります。






① おおよそがわかる初回無料提案の図面


ほぼ敷地が決まっていて、大まかな条件と大凡の予算が見えている段階での図面となります。


図面には縮尺という倍率があり、表記のルールがあります。

それは大きな建物をコンパクトに机の上の紙に表現するために必要です。

この段階では縮尺1/100や1/150、あるいは1/200程度de

表現されます。

1/100とは、紙の上で、

1メートルが1センチで表されている縮小の状態です。

当然小さく描かれているので、細かい部分が省略されているか、記号化されています。

例えば、壁は内側と外側の2本の線で表現され、壁の中身がどうなっているか略されています。

窓もドアも類似的なもので表現されるので

大凡の間取りや大凡の大きさ、大凡のつながりが表現されてます。

これらによって、設計がどの方向を向いているのかが示されています。

この時に用いられている図面には

平面図、立面図、断面図、配置図、屋根伏図、仕上表などがあります。

何を伝えたいか? 何を確認したいか? で必要な図面の種類は変わります。


ポンチ絵風に色が塗られていたり、

人や家具が入っていたりして、

部屋と部屋のつながり、

窓の位置や大凡の大きさがわかり、そこからここでの生活を想像してもらいます。

これに仕上げのイメージがありますから、ある程度は素材感もインテリアのテイストも見えてきます。





でもこの図面では正確な見積りはできません。

そこまで細かいことは決まっていないし、細かいことより大きな流れを作るため、あるいは大きな流れを共有するための図面だからです。

ここでは設計の色々な可能性が検討されます。

いくつものアイディアを検討したり、他に方法がないか調整してみたりした結果ですが、これを持って建主さんとお話をし、希望のイメージ・予算、可能なことのすり合わせをスタートさせます。

例えば、具体的に部屋のサイズを変えたり窓を増やしたりもありますが、

もっと根本的なところに戻って思考したります。

建主さんの希望の本質を考えたり、本質を拡大解釈してみたり。

シフトして、意味を変えてみたり、実現できそうにないことをとりあえず想像してみたり。

そこで相互に相性がよければ、共同作業となる設計が本格スタートしますので、設計契約をお願いしすることになります。





うちの事務所では、この段階で縮尺1/100の模型を作ることが多いです。

小さな模型ですが、情報量は思いの他多いことがわかります。


模型を作る一番の理由は、

私たちを含め多くの人にとって、

図面を正確に理解し、

どのような住宅かを理解するのが案外難しいからです。


(この項つづく)



2021/09/24 佐藤 勤 記


次回は9月28日(火)に更新予定です。

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