思いは細部に宿る。赤羽の家を支える、確かな仕事
- 佐藤 勤

- 1 日前
- 読了時間: 3分

ふと触れた手摺の滑らかさ、
塗り壁の表情。
家全体に漂う品格は、
丁寧に作られた細部の集積によって作られています。
呼吸する珪藻土の壁。ローラー塗りが生む、柔らかな光の質感

家の中で最も大きな面積を占める要素である壁は、空間の「空気の質」を決定づけます。
「赤羽の家」では、自然素材の持つ力を最大限に活かすため、珪藻土*を壁材として採用しました。
珪藻土は、その微細な孔によって、室内の湿度が高いときは湿気を吸い込み、乾燥しているときは放出する、天然の調湿機能を持っています。
この壁は、機械的な仕上げではなく、職人の手によって塗られています。
コテでつけるような強いテクスチャではなく、ローラーの毛足が生む、均一的でありながらも温かい、控えめな質感。
この柔らかな表面は、光を優しく拡散し、空間全体に落ち着いたトーンをもたらします。
壁自身が呼吸し、室内の空気を快適に保ってくれること。
これこそが、珪藻土の持つ最大の機能美です。
私たちは、単に見た目の美しさだけでなく、そこで暮らす人の「心地よさ」を追求します。
無駄なものを削ぎ落とし、素材が持つ本質的な機能を生かす。
この壁は、住まい手の健康と、家の快適性を静かに支える、確かな手仕事の結果なのです。
毎日触れるものだから。建具の取っ手ひとつへの拘り
私たちの家づくりの哲学は、「日常の行為」にこそ、最大の贅沢を注ぎ込むという点にあります。
最も顕著にその思想が現れるのが、建具や家具、そしてそれらに取り付けられる「金物」です。
毎日何度も触れるドアノブや手摺。
その触感は、住まい手の心身に静かに影響を与え続けます。
「赤羽の家」では、安価な既製品で妥協することなく、空間の雰囲気に合わせて選び抜かれた、あるいは特注された金物が使われています。
例えば、真鍮製の取っ手。使い始めは光沢がありますが、手を触れるたびに酸化が進み、徐々に渋い飴色の「古艶(パティナ)」を帯びていきます。
これは、住まい手がこの家と共に過ごした時間そのものが、形として刻まれていくプロセスです。
指先に伝わる金属の重み、木の滑らかな仕上がり、その一つひとつに職人の意図と、設計者の願いが込められています。
それは、美術品のように眺めるものではなく、「使う」という行為を通じて、その真価を理解する、知的な満足感に満ちたディテールなのです。
経年変化を味方につける。自然素材と付き合う楽しみ

真に良い家とは、新築時が最高の状態なのではなく、時間が経つにつれて美しさと味わいを増していく家だと、私たちは考えます。
経年「劣化」ではなく、経年「美化」。
この思想を支えているのが、自然素材の持つ、おおらかな許容力です。
無垢材の床にコーヒーをこぼすかもしれません。塗り壁に小さな傷がつくかもしれません。
しかし、本物の素材は、その「失敗」や「生活の跡」を、物語の一部として受け入れてくれます。
ビニールや樹脂のように全てを拒絶し、永遠に新品であろうとするのではなく、傷や色あせを「生活の記憶」として、深い味わいへと昇華させてくれるのです。
家を「完成された商品」として捉えるのではなく、「共に育てる相棒」として捉える。
この価値観を共有できるお客様だからこそ、私たちは、手仕事と自然素材にこだわった最高の住宅を提案したいと強く願っています。
丁寧に暮らし、手入れをすることで応えてくれる家は、住まい手にとって真のパートナーとなります。
まとめ

流行を追うのではなく、時間が経っても古びない美しさ。それは本物の素材と技術からしか生まれません。
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