はじめての家づくり 06 | 住まいのスタイル・形から家づくりを考える③



前回は、住まいの購入時にかかるお金のお話しでした。

ちょっとまとめてみます。


まず土地を入手

・土地にはお買い得はない

そして、注文先の違いがあります。

設計・施工か設計・監理+施工

・ハウスメーカーor工務店での家づくり:「設計・施工」契約

・建築設計事務所+工務店での家づくり:「設計・監理」契約+「施工」契約

・心もお金もスケジュールも余裕を持った家づくりを

総工費の内訳

・総工費=工事費+付帯工事費+諸経費

工事費:建物本体の費用のこと/総工費の70〜80%が目安

付帯工事費:本体以外の外構、塀、門、屋外電気工事、地盤改良、解体費などの工事費用/総工費の15〜20%が目安

諸経費:契約書類の印紙代、家屋の登記費用

ローンの保証料・手数料、火災保険など。

・予定外・想定外の出費が発生することも

・家づくりのお金をイメージしましょう。


以上でした。


「工事費+付帯工事費」をマンションの「販売価格」と読み替えれば

同じように諸経費はかかってきますから、

マンションと戸建ての違いはあまりありませんね。



それでは入居後にはどうでしょう。

実は戸建て住宅とマンションには大きな違いがあります。

順を追って見ていきましょう。



管理費と修繕費


戸建てはすべて個人の所有となります。

良いコンディションで長く住まうためには、個人の努力が必要です。

メンテナンスや修繕は、

その内容からタイミングまですべて自分ひとりでしなくてはいけません。

自己責任!


一方、マンションにはご存知のように管理組合があります。

これは区分所有者全員で、そのマンションの資産価値を保つ努力をするための組織です。

区分所有者から役員を選出し、透明性と公平性を保ちながら運営されます。

規約にもよりますが、何をするにも役員会を開催し議事の上決定します。

管理組合の理事長をやったことがありますが、なかなかの責務でした。


ゴミ置場の維持管理や共有部の電球交換など、

マンションの公共部分での日常的な活動に始まり、

中長期の修繕計画を策定し、上下水道の配管、共同テレビアンテナやケーブルテレビなど、共有部のメンテナンスも行います。

さらには長期計画に基づき資金を積み立てながら、大規模修繕工事も行います。

そのため

区分所有者から管理費や修繕積立金を毎月徴収します。

金額はざまざまで、規模や経年によって違いますし、そもそもの修繕計画にもよります。

それに当初の計画通り経年変化が起きていればいいのですが、

予想より早く痛んだりすることもあります。

 また、これまでのビルビルディングタイプになかったタワーマンションでは、

皆が経験したことのないような大規模で作業自体が難しい修繕が発生し、

当初予定より費用が嵩むようなケースが発生しており新聞などを賑わしていました。


 そもそも規模が小さいマンションでは分母が小さすぎて、

修繕積立金が足りない事態が発生したり、

未納者からの徴収ができずにいるケースも発生しているようです。

保守点検や補修をせずにいることは大変危険なだけではなく、刻々と資産価値を下げていることになります。

健常な状態が保たれていなくなった途端に資産価値はグッと下がります。

そのため修繕積立金が足りない場合、

毎月の修繕積立金を値上げすることもあるようです。

しかし、そうしたマンションでは高齢者が多いことがあり、

払いきれないという問題も発生しているようです。

ライフサイクルも検討した住まいの取得が大切であるという理由の一つです。


ちなみに、修繕積立金の他にも駐車場代や駐輪代が別途かかるのが一般的です。

さらに、共用部は修繕積立金でなんとかなったとしても、専有部の手直しはもちろん自費となります。

これが結構地味に厄介です。


つまり、マンションの戸建て住宅との一番の違いは、管理費や積立金、駐車場代等のあるなしですね。


けれども

経年でメンテナンスが必要となってくるのは同じです。

それは自己責任であるかどうかだけですが、理事になって管理組合の運営に関わるというのは自己責任でもありますよね。

同じことかも知れませんね……



安心の質・値段が違う


最近のマンションは高セキュリティです。

共有部のセキュリティ設備としてオートロックや防犯カメラ、管理人常駐は当たり前になりつつあります。

コンシェルジュサービスや宅配ボックスも防犯という意味では重要です。

専有部のセキュリティ設備ではテレビモニター付きインターホンや、ディンプルキーや鎌形デッドボルトによるワンドア・ツーロックなども標準になりつつあります。

かつて空き巣に入られた経験をもつ設計者として、

私はセキュリティに高い感心を持っています。

犯罪がますます高度化しているとも聞きます。

犯罪抑止として建築設計として死角をなくす努力が今後も必要と思っています。


もっともこの辺りの話は戸建てでも同じです。

最近は戸建て住宅でも

セコムやALSOKなどを導入しセキュリティを高めるケースが増えています。

月々の支払いがネックになることがありますが、まずは導入検討をお勧めしています。



マンションにある制限とは


戸建て住宅は基本的に倫理的、常識的に問題がなければかなりのことが自由です。

制限はありません。

もっとも、ゴミ出しなどは地域毎に町会の決まりがあって、マンションよりも負担が大きいですが。

獣害に合わないようにネットや袋を当番で出したり、清掃をしたりは思った以上に負担のようです。


マンションでは規約が色々とあります。

戸建てと違いいろいろと制限があります。

マンションそのもののイメージや景観を大切する目的で、

布団や洗濯物も干せない規定があったり、

専有部に思える場所が実は共有部のため、修繕を管理組合でやってくれるのはいいのですが勝手にさわれない

というもどかしさがあったりします。

さらに、マンショントラブルNo1の騒音やペットについては、厳しく規約があるケースが多いです。



将来の資産価値としては


戸建ては、建物は単独名義。

土地建物共に自分のものです。


マンションは区分所有なので、

区分所有者数に按分された所有権です。

減価償却の耐用年数はRC47年木造22年。

いよいよとなった時の建て替えは大変です。

建て替えには

区分所有者の、議決権の5分の4以上の賛成が必要です。

5年ほど前、実際にお手伝いしたこともありますが、遅々として進まず

いろいろと手を尽くしましたがお話があってから、2年ほどで断ち切れました。

その後そのマンションの前を何度か通りかかりましたが、進展はなさそうです(ちょっと心配)。

 マンションは自己資産としては自由度が低く、他力本願のところもあります。

自分にあったものを選択していただきたいと思います。


 戸建て住宅もマンションも、資産価値としてはどこに建っているかが重要です。

基本的には中古流通を前提にすることになるので、

人気エリアであるかが重視されるし、

将来性や駅近かも影響するようです。

ところがご存知のように、コロナ禍もあり世の中の様子が変わりつつあります。

 一つは働き方。

家づくりにおいてもある程度リモート勤務が前提となりつつあるということです。

未来予想の統計で人口の推移だけはあまり外れることがないと言われるらしいのですが、

少子化、高齢化はますます進み世帯数や家族の構成が変化をしています。

昨今では、大企業が都心の一等地のからオフィスを移設し始めています。

これらからまだまだ予断を許しません。

ますます、よく見て、よく聞き、よく考え、ちゃんと行動すべき世の中になってきました。




2021/04/23 佐藤 勤 記




次回、4月27日(火)に更新予定です。