はじめての家づくり 07 | 工法から考える家づくり❶

戸建て住宅を建てるか?

それともマンションを購入するか?

前回までいろいろと考えてきました。


戸建てはすべて個人の所有なので自己責任!

メンテナンスなども自力です。

それでも住まいへの夢を実現することが可能です。

何といってもフルオーダーですから。

マンションは区分所有なので管理組合がいろいろと面倒を見てくれます。

が、自由にならないことも多いです。

そして何よりこだわりを実現するのが難しいということ。

すでにできている販売物を購入するのですから。

それぞれにメリット・デメリットがあります。

やはり自分にあった家づくりを選ぶべきだと思いますが、

一生に一度のことが多い家づくりですから、納得したものにしていただきたい。

そのためには、どんな可能性があるのかを

専門家と検討してください。

なので

設計事務所に相談し

注文住宅を検討することをお勧めします。


今回は注文戸建て住宅のお話のつづき。

「柱・梁や床といった本体の作られ方=工法」を切り口に戸建て住宅を眺めていきます。



構造・工法は無数にある


広告や住宅展示場で「ツーバイフォーです」とか、「重量鉄骨造です」とか、「地震に強い構造です」とか

様々セールストークがされますが

わかったような、わからないようなモヤモヤ感が広がると思います。

丈夫さや価格、耐久性や防火性能などの

チェックポイントもピンとこないものです。

無数にある構造・工法を家づくりをはじめてすぐには、選ぶことはできません。

なぜならば、全体像が見えないということもありますが、

なかなか入り組んでいて、専門家でも比較するのが難しいぐらいですから。

構造・工法にメリット・デメリットがそれぞれにあるのですが、

それぞれの事情を知らずに、勧められるままに家づくりをしていくと、本当に欲しいものから遠ざかってしまう可能性があります。

家づくりで実現したいことを検討・調整する前に、構造・工法が先に決まるのが良い方法でしょうか。

構造・工法は、作りたい家を実現するために選択されるべきです。

家づくりをしながら、色々な項目と一緒に検討し、順次適切な構造・工法が選択されることを望みます。


木造と非木造︎


「戸建て住宅」といった時、多くの方が木造住宅をイメージするかもしれません。

では、実際、世の中のみなさんはどのような住宅を建てているのでしょうか?


毎月、国土交通省から発表されている住宅着工統計を見てみましょう。

住宅の着工数や床面積、どんな構造・工法のものが建てられているのかがここからわかります。

構造とは、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、コンクリートブロック造などのことです。

工法とは、在来工法、プレファブ工法、枠組工法などのことをいいます。


ではデータを見てみましょう。

令和1年度の新設住宅着工数は約88.3万戸です。

うち約51.3万戸が木造で

約37.0万戸が非木造です。

非木造のうち多くを占めるのは鉄筋コンクリート造(約23万戸)と鉄骨造(約13.4万戸)のようです。

予算や階数・規模などから検討し、多くのみなさんが木造で家づくりを選択したことがわかります。


その木造には大きく3つの工法があります。


・木造軸組み工法(在来工法)

・2×4工法(ツーバイフォー)

・木造ラーメン工法


最近のハウスメーカーの工法は、耐久性や施工性を上げるためや、空間の自由度を上げるためにこれからの掛け合わせをしたり改良をしたりしています。


家づくりの構造・工法とは


それでは家づくりの工法を、順番に見ていきましょう。




① 木造軸組み構法(在来工法)


みなさんが普通に接することが多い木造の住宅はこの工法です。

日本の伝統的な工法をベースに、

その伝統と経験を踏まえ、時代時代でバージョンアップしてきた

いわゆる「在来=ありきたり」の工法です。

ですからデザインは元々日本的でしょうか。

構成としては、基礎(土台)の上に柱、梁、桁などで骨組みをつくり、

筋交い(角材の斜材)や構造用合板の耐力壁を組み合わせています。

最近ではオイルダンパーや耐震金物などを設置し

耐震性能や免震性能を比較的安価に取り入れることが可能になってきています。

僕らも導入するケースが増えてきています。

また、かつては木造の住宅は寒いと思われていました。

それは断熱材の不備が多かったからです。

最近の住宅では十分な断熱性能を発揮するものが増えています。

断熱材や施工法は様々あり、省エネ法の流れもあって関心事です。

暖かい家に住みたいですよね。

叶えます。


木造軸組み工法のメリットは、何と言っても木材の加工が容易のため、

間取りやデザインに柔軟性があることです。

ですので、都市型の狭小住宅や変形敷地の住宅にもむいています。

さらに、増築やリフォームがしやすいということもあります。

そしてコストは比較的安価です。


木材は火に弱いイメージがありますが、耐火性能が見直されており、

最近では巨大木造や高層木造が実現されてきています。

今後はさらに本格化し、ますます増えていきそうな流れです。


また、最近はプレカットが進んでいます。

プレカットとは、現場に運ばれる前に工場で設計図通りに柱や梁などの構造材を製材することです。

CAD/CAMなどを導入してトータルかつ正確に材を製材できるので、

現場での作業効率が上がります。

必ずしも万能ではないのですが、現場での合理化には成功し工期の短縮化にも貢献しています。


木造のデメリットとしてはシロアリなどの害虫被害に注意が必要な点です。

木材自体がシロアリの餌となります。

現在では、防蟻薬の散布など様々な有効な予防策があります。

私たちは人体に影響のないホウ酸系の防蟻材を使用することが多いです。


次にご紹介するのは、こちらもよく耳にするツーバイフォーです。




② 2×4工法(ツーバイフォー)


北米で開発された木造住宅の建て方です。

在来工法と違って、柱・梁を使用しません。

木造枠組み壁工法と呼ばれています。

断面が2インチ×4インチの間柱による枠組みに構造用合板を釘打ちした枠組み壁で全体を構成します。

床+壁×4面+天井の六面体の箱型構造で、

地震の揺れや衝撃に強い。

合理化されていて、技能レベルの低い職員でも施工ミスが少ない。

その上、材料寸法や釘の規格化でコストダウンが期待できます。

実にメリットばかりのようですが、壁に大きな開口を開けにくいなど欠点もあります。

角に開口部を開けられないですし、

そもそも間取りや増改築の自由度は木造在来工法に劣ります。

虫害に関しても、2×4も木材を使っているので、同じく注意が必要です。


同じ木材を作った住まいとなりますが、在来工法とはまた違った側面があります。

どのような住宅を望むかで構造・工法を選んでいただきたいと思います。


2021/04/27 佐藤 勤 記



この項つづく

次回は今回紹介以外の工法についてです。

次回、4月30日(金)に更新予定です。