はじめての家づくり 36|図面の読み方 ③ 基本設計図、実施設計図、施工図

こんにちは。

二世帯住宅の設計が好きな相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

丁寧に打合せしみなさんの夢を叶えます。

柏市の建築家としても家づくり設計活動中です。

リフォーム・リノベーションの設計依頼をお待ちしています。


ここでは、これから家づくりをなさる方たちに向けて、注文住宅の情報を提供するとともに、設計事務所に頼もうかどうかの検討材料を提供しています。

ご一読いただき参考にしてみてください。




ここ2回ほど「設計図=図面」のお話をしています。

今回はその3回目。

たくさんある図面の中で大切することについてです。


図面には、タイミングや目的に合わせて多くの種類があります。

家づくりをしているみなさんが最初に目にするのは、無料提案の図面でしょうか。

設計事務所ではみなさんから最初に伺ったお話をもとに、設計の検討のための簡単な案を作ります。

簡単とは言っても、現実的な敷地で法規を守ってつくるリアル案です。


私たちの事務所では提案と一緒に簡単な模型製作とスケッチパースを描きます。

模型が実によく情報を伝えてくれるのです。

その模型やスケッチ、初回提案をもとに判断していただき、お話を進めていきます。


さらにお話を進めるにあたって、次のステップとして設計契約を交わしていただきます。

ここから費用が発生します。


設計契約をしていただくと、いよいよ本格的に設計のスタートとなります。

より具体的な検討のスタートです。

「基本設計」という段階に入ります。

そして今日はここからスタート。





家づくりの基本の打合せ資料の基本設計図


 これまでもお話してきましたが、家づくりには大きな流れがあります。

初めての提案は、まずは大きな枠組みとそのプロジェクトの可能性を検討するためにあります。

それならばこうできないか?

もっとこうできないか?

そもそもこうならないか?

そんなやりとりがされるはずです。

そうした状況で打合せに使われるのが基本設計図です。


建築図面は、基本設計図、実施設計図、施工図など目的に応じて各種あります。

図面の目的は「JIS 28310製図総則」にあるように、「図面使用者に要求事項を確実に伝達することにある」とされます。


そもそも設計活動にも種類があります。

大枠という意味での建築設計、細分化された意匠設計、構造設計、設備設計(給排水、換気、電気等)、外構設計などです。

それに合わせて、意匠図、構造図、設備図、外構図がつくられます。

順に見ていきます。




意匠設計とは?


意匠設計とは、いわゆる間取りを決めてデザインを検討し、素材を決定する設計作業をいいます。

いわゆる「設計」という作業です。


その意匠設計にもいくつかの段階があり、それに伴って必要な図面の種類と内容が変わってきます。

大きくは三つで、それぞれの段階に伴って基本設計図、実施設計図、施工図となります。


基本設計図は、実際にプロジェクトが動き出した時に発生するもので、建主さんとの情報のやり取りが主な目的です。

それでも「実現=施工」を前提に描かれています。

建主さんの希望をもとに、空間性、デザイン、構造、設備など骨格となる部分を省略または記号化しながら図面化したものです。

これは、建主さんの希望だけでなく、敷地条件や予算・法規制なども加味されています。

専門性が高い部分が多いですが、建主さんとのコミュニケーションのための図面なので、模型やスケッチを併用した打合せが行われます。

この段位は基本中の基本なので、慌てることなく、設計内容を理解していただくことが大切です。





基本設計の次の段階が「実施設計」で、「実際に施工するための設計図」となります。

なので、工事を工務店など施工者に発注するための図面となります。

これは当然、前段階で作られた基本設計図がベースとなります。

実際の施工のための図面ですから、設計も細分化され、設備設計による設備図、構造設計による構造設計図などが描かれます。




一般的な木造の住宅(例えば4号建築物)では、私たちのような建築設計事務所=意匠設計事務所が、そのすべての設計・作図・監理を行うことが多いです。


いずれにしても図面の縮尺は基本設計で1/100だったものが1/50になるなど、大きくなります。

つまり、図面が大きくなるので、細部の検討ができ、それを書き込めるようになります。

それは専門性が上がることになります。ここでも、打合せではスケッチを描いたり、模型を作ったりして行います。

通常みなさんとの打合せは2時間程度ですが、一度の打合せでそのすべてを理解するのは難しいかもしれません。

まずは全体を理解することにつとめ、それから細部の理解・検討をしていかないとなかなか最終決定に向かわないものです。

家に持ち帰ってゆっくり検討してください。


ましてや工期などの時間がライフサイクルやローンの縛りがあることが多く、時間との勝負な部分もあります。

設計期間をお約束通り進めることも大切ですが、やはり、納得した家づくりをしていただきたいので、スケジュールの再調整をお願いするケースもあります(もちろんお願いされることもあります)。

もっともスケジュール最優先というケースもあって、悩ましいところです。


これに続いて、私たち設計者や施工者が、現場の作業のために書くのが施工図です。


(この項つづく)



2021/10/04 佐藤 勤 記


次回、10月8日(金)に更新予定です。



コラム:はじめての家づくり掲載リスト vol.01

01 家族のためのこれからの家づくり入門

02 住宅展示場に行く前に

03 これだけは知っておきたい家づくりのポイント

04 住まいのスタイル・形から家づくりを考える①

05 住まいのスタイル・形から家づくりを考える②

06 住まいのスタイル・形から家づくりを考える③

07 工法から考える家づくり❶

08 工法から考える家づくり❷

09 ハウスメーカーから考える家づくり

10 工務店から考える家づくり

11 設計事務所から考える家づくり