はじめての家づくり 39|図面の読み方 ⑥ 詳細図編2

こんにちは。

漆喰や珪藻土に愛着を感じる相川佐藤建築設計事務所の佐藤勤です。

丁寧な打合せで、みなさんの夢を叶えます。

谷根千の建築家としても家づくり設計活動中です。

リフォーム・リノベーションの設計依頼をお待ちしています。


このブログでは、これから家づくりをなさる方たちに向けて、注文住宅の情報を提供するとともに、設計事務所に頼もうかどうかの検討材料を提供しています。

ご一読いただき参考にしていただけましたら幸いです。


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前回、前々回で実際に作るために必要となる図面についてお話しました。

平面図、断面図、立面図。

仕上表、仕様表、案内図・配置図。

矩計図、天井伏図、展開図、平面詳細図。

それでは続きを……。





10. 建具表


建物のインテリアは床、壁、天井だけでできてはいません。

窓や玄関ドア、押入れの襖や障子、家具の扉やエアコンのガラリなどがあります。

住まいの居心地を左右する重要なパーツです。

それらを「建具」(たてぐ)といい、まとめたものが建具表で、建具の姿を表す図と仕様による表です。

住宅の場合は、木材と金属といった材料の違いによって、木製建具表と金属建具表とに分けて書きます。

これは、材料もさることながら、木製建具は建具屋さんが対応してくれるのに対して、金属建具ではアルミサッシメーカーに発注されたものをサッシ屋さんが取り付けたり、スチールサッシ製作工場で受注生産されたスチールサッシを取り付けたりするというルートの違いに由来します。

また、木製建具と造作収納の扉の違いはあまりありません。

製作する人が違ったり、できたものの精度が違ったりします。

建具屋さんや家具屋さん(ここでいう家具屋さんとは、家具販売でなく造作家具の製作をしてくれる職人さんのことです)が作って取り付けてくれるか、大工さんが簡易なものや既製品を取り付けてくれるかというちがいです。

もちろん値段も違います。

誰がどのように作り、どのように取り付けるかは、工事費によりますし、工務店さんの現場への考え方や僕ら設計者の考え方にもよります。

どちらが良い悪いではなく、どう考えてどうしたいかという事です。


建具の話に戻ります。

建具表に書かれた建具には、種類ごとに符号が振られていて、取り付けられる部屋名と数が書かれています。

ちなみに、建具は1本(ぽん)、2本(ほん)と数えます。

材料、サイズ、見込(取り付けたときに枠の奥行きとなる幅のこと)、見付け(枠を正面から見た幅)、散り(枠の見込みは通常壁厚よりあります。その壁と枠の寸法の差)、仕上げ、取り付け枠の有無、支持金物、操作金物、固定金物などを文字で記し、これだけでは表しきれないので特記事項欄があったりします。

これに見た目の姿図を添えます。

傍に引き手を拡大した詳細断面を書いたりもします。


デザインの作法のある和風の建物や、都市型の狭小住宅などでは細かい部分を大切していくことが、穏やかで居心地の良い空間づくりのポイントの一つになってきます。

僕らも、大切な建具は細かく寸法を調整し材料を吟味して、デザインを整えていきます。

素材やサイズだけではなく、取り付け高さや周辺との関係もとても大切です。

周辺との関係とは、例えばどこにいて誰がどう眺める建具かということです。

機能としても大切ですが、居心地のためにも大切にしたい部分です。

と言っても、一通りどの建具でもスケッチを書いたり図面を書いたりして設計、調整、確認を行っているので、どこがそうした特別な作業をしたところかは現場ではわからないかもしれません。

ごくごく自然に見えて、穏やかで居心地がいいときは、細かく細かく調整がされているからかもしれません。

もっとも、そのことでバランスの悪いコストアップになることは望んでいませんし、現場の作業が難しいことになることは考えていません。





11. 階段詳細図


階段の収まりを書いた図面ですが、設計的にそんなつもりはなくとも、階段は立体的で折れ曲がったりするので、なかなか複雑で、確認の意味も兼ねてしっかりと詳細図を描きます。

階段は壁から段板が突き出し片側が支えれていない方持ちのものや、螺旋階段などデザイン性の高い階段がありますが、そうでなくとも、ぶらぶらしないように、音が鳴らないようにと、施工と共に気を使うところです。


これ以外の部分でも、同じような理由から詳細図が諸々必要になります。

現場の施工チームからの要望のこともありますし、こちらから細かいお願いを施工チームに伝えるのに必要だったりします。

施工中の大工さんとの打ち合わせに必要で、追加で何枚か書いたりしますし、宿題で持ち帰って後日提案をしたりもします。

建主さんが新たなアイディアを思いついたりすると、やはり変更のための図面が必要になってきます。こうした場合はスケッチと図面ともつかないものでやり取りするだけでなく、部分的な模型を作ったりもします。

いずれにしても、居心地のよい住まいづくりのために必要なことはできる限りと思って活動しています。



12. 雑詳細図、家具図


窓や建具の枠の収まりや、特徴的なデザインにする時には、収まり図を描きます。

僕らの事務所は造作家具を作ることが多いので家具図、雑詳細図は欠かせません。

もちろん、仕様だけで作れる簡単な棚もありますが、空間の居心地の良さをより良くするためにはサイズや素材のコントロールが必要で、その検討のために図面を書いたりします。





13. 配置図


最後になりましたが、忘れてはいけないのが配置図です。

地籍図や公図、道路確定図、測量図などで敷地の座標、面積を確認し設計するのですが、そうして得た敷地に建物を配置します。

敷地の形状だけでなく高低差や前面道路との関係を示す大変重要な図面です。

配置図とは建物との関係を示すものです。水道やガス、電気などのインフラの引き込みなども検討・指示する図面となります。


(この項つづく)


2021/10/25 佐藤 勤 記


コラム:はじめての家づくり掲載リスト vol.01


01 家族のためのこれからの家づくり入門

02 住宅展示場に行く前に

03 これだけは知っておきたい家づくりのポイント

04 住まいのスタイル・形から家づくりを考える①

05 住まいのスタイル・形から家づくりを考える②

06 住まいのスタイル・形から家づくりを考える③

07 工法から考える家づくり❶

08 工法から考える家づくり❷

09 ハウスメーカーから考える家づくり

10 工務店から考える家づくり

11 設計事務所から考える家づくり